#20 こどもへの薬の与え方~内服編①~|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

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#20 こどもへの薬の与え方~内服編①~|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

#20 こどもへの薬の与え方~内服編①~

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薬を飲ませる上で知っていただきたいこと

① 薬は医師の指示通りに飲ませてください。

私たち医師は患者さんを診察して、その状態に適した薬を処方します。

基本的には皆さん指示通りに薬を使用していると思いますが、症状が良くなると途中でやめてしまう方がおられます。

最後まで飲み切ることが重要な薬剤の代表は、抗菌薬(抗生物質)や抗ウイルス薬(インフルエンザ治療薬のタミフル®など)です。

これらの薬は中途半端に使用すると症状が再燃したり、薬剤耐性(薬が効きにくい)菌・ウイルスを生み出してしまう可能性があるため、自己判断で中止せず、最後まで飲み切るようにしてください。

また、喘息治療薬や抗てんかん薬など予防目的で使用する薬剤は、症状がなくても毎日服用することが大切です。

 

② 決められた服薬回数を守ってください。

薬を飲ませるタイミングは食事の後が一般的ですが、もし食事が摂れなかったとしても薬は飲ませるようにしてください。

赤ちゃんに薬を飲ませる場合は、お腹がいっぱいだと薬を飲めなくなったり吐き出してしまったりするため、授乳前(空腹時)に与えるのが良いでしょう。

1日3回の飲み薬を幼稚園・保育園などに通っていて昼に与えられない場合は、朝・帰宅後・寝る前の3回で飲ませてください。

薬を飲ませ忘れてしまった場合には、気づいたときにまず内服させ、その後確実に飲ませ続ければ問題ありません。

●1日3回(分3)飲む薬

 ⇒次回内服まで4時間以上あける。

●1日2回(分2)飲む薬

 ⇒次回内服まで6時間以上あける。

●1日1回(分1)飲む薬

 ⇒次回内服まで8時間以上あける。

飲ませ忘れたからといって、2回分の薬を一度に飲ませるのは絶対にやめましょう!🙅

 

③ 薬をミルクや主食に混ぜないようにしましょう。

赤ちゃんに薬を与えるとき、ミルクに混ぜて飲ませようとすると、ミルク全量を飲み切らないと体内に適切な薬剤量が入らないことになります。

また、薬を混ぜることでミルクの味が変わり、赤ちゃんがミルク自体を嫌がるようになってしまう可能性があります。

もし混ぜるとしても、少量のミルクに留めましょう。

 

④ 飲ませる薬の味を知ってください。

赤ちゃんや小さなお子さんに薬を飲ませる前に、お母さん・お父さんがちょっとだけ味見をしてみてください。

薬の味を知っておくと、どのように与えたら飲んでくれるか、良いアイデアが浮かぶかもしれません。

 

⑤ 他の人の薬を与えないでください。

当然ですが、薬はその患者さんに対して処方されたものです。

きょうだいの薬が残っていたとしても、別のお子さんに使用するのはやめましょう。

 

⑥ 飲んだ薬を吐いてしまったときは?

薬を飲むのを嫌がったり、体調の悪さが原因で、お子さんが薬を吐き出してしまうことはよくあります。

内服直後に吐き出した場合には、薬は体内にほとんど吸収されていないので、再度同じ量を飲ませてください。

内服から30分以上経って嘔吐した場合は、薬の飲み直しはせずに様子をみましょう。

 

⑦ 定期薬がなくなる前に受診しましょう。

慢性疾患で毎日薬を使用している場合は、薬がなくなる前に受診し、病状の確認と追加の処方を受けるようにしましょう。

定期薬がなくなっても「症状が落ち着いているから」と受診せずにいると、いつの間にか病状が悪化し、健康な状態に戻すまでに時間がかかります。

 

⑧ 受診時にお薬手帳をみせてください。

飲み薬の種類は非常にたくさんあり、色や形状だけでは何の薬か特定できません。

お薬手帳をみることで、今どんな薬を使用しているか、過去にどういった治療を受けたのかがわかるため、ぜひ受診時にみせてください。

 

⑨ 合わなかった薬を覚えておいてください。

どんな薬にも添付文書には必ず副作用の記載があります。

もし薬を使用したことで具合が悪くなることがあれば、その薬剤名を忘れずに覚えておいてください。

またその情報はご家庭の中で共有してください。

そして受診時に医師に伝えていただくことで、より安全に薬の提供を受けることができます。

 

 

薬が飲めたらたくさん褒めてあげてください☺

小さなお子さんに薬を飲ませるのは手間がかかるし、大変ですよね💦。

お子さんの立場からしても、体がしんどい時においしくない薬を1日に何回も飲まなければならないのは大きな負担です。

それでも頑張って薬が飲めたら、ぜひ笑顔でたくさん褒めてあげてください。

きっとお子さんにとって、次回内服のモチベーションになりますよ。

お子さんが言葉を理解できる年齢であれば、 “なぜこの薬を飲まなければいけないのか” を教えてあげてください。

そして「〇〇ちゃんの病気を良くしたいから、〇〇ちゃんに元気になってもらいたいから飲むんだよ」と伝えてください。

お子さん自身も「早く治したい」と思っているはずなので、やる気にさせる環境づくりが重要です💪。