#36 もはや国民病? アレルギー性鼻炎①
今回はアレルギー性鼻炎のお話です。
この時期になるとスギ花粉が飛び始め、憂鬱な方も多いと思います。
「鼻アレルギーの全国疫学調査2019」によると、アレルギー性鼻炎全体の有病率は49.2%、スギ花粉症単独の有病率は38.8%とされています。
これは「2人に1人がアレルギー性鼻炎」「3人に1人がスギ花粉症」と言い換えられ、もはや “国民病” といえるレベルです。

この数字は年々増加傾向にあり、特に10歳代と5~9歳のスギ花粉症患者が著しく増えています。
2019年の時点で、10歳代のスギ花粉症患者は20年前の約2.5倍、5~9歳に至っては20年前の約4倍となっています。

アレルギー性鼻炎の症状
アレルギー性鼻炎は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが3大症状です。
いずれも異物が体内に入り込むのを阻止する防御反応ですが、過剰に反応する場合は “病気” として扱います。
これらの症状のために、勉強や仕事に集中できなかったり、よく眠れなかったり、イライラしたりするなど、日常生活に支障が出ることもあります。

くしゃみは回数が多く、連発することもあります。
重症の目安;
1日の平均くしゃみ発作回数≧11回
※立て続けに出る場合は1回の発作と数える。

鼻水は透明サラサラです。
かぜをひいたときのような粘り気はありません。
頻繁に鼻をかむことで鼻の粘膜が傷ついて、鼻血が出やすくなります。
重症の目安;
1日の平均鼻かみ回数≧11回

鼻づまりは鼻の粘膜が腫れることで起こります。
鼻で息を吸いにくくなり、口呼吸になります。
その結果、鼻で加湿されずに乾燥した空気がそのまま体内に入るため、感染症のリスクが高まります。
重症の目安;
鼻づまりによる口呼吸が1日のうちかなりの時間ある

アレルギー性鼻炎の病型
くしゃみ・鼻漏型;
くしゃみ・鼻水の症状が強い。
鼻閉型;
鼻づまりの症状が強い。
充全型;
どちらの症状も同じくらい強い。
アレルギー性鼻炎の原因
アレルギー性鼻炎は、原因となる物質(アレルゲン)の種類によって次のように分けられます。
近年、通年性と季節性両方のアレルギー性鼻炎を持つ人が増えています。
通年性アレルギー性鼻炎
1年を通して鼻炎症状が認められる。
主な原因はダニやホコリ(ハウスダスト)。
他にも、ガ、ゴキブリ、ペット(イヌ、ネコなど)の毛、フケなど。

気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎を合併することがある。
季節性アレルギー性鼻炎
いわゆる「花粉症」。
原因となる花粉の飛散時期だけに鼻炎症状が認められる。
主な原因はスギやヒノキの花粉。
他にも、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバなどの花粉も起こしうる。
アレルギー性結膜炎(目のかゆみ、涙目、充血)を伴うことが多い。
のどや皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽさなどが現れることがある。
🌟スギ花粉;
年初から飛び始める。
3月にピーク、5月頃まで飛散。
🌟ヒノキ花粉;
スギよりも若干遅れて飛び始める。
4月にピーク、6月頃まで飛散。
🌟シラカンバ花粉;
北海道で多く飛散。
5~6月にピーク。
🌟イネ科花粉;
オオアワガエリ、カモガヤなど。
本州ではほぼ1年を通して飛散。
🌟キク科花粉;
ブタクサ、ヨモギなど。
8~10月に飛散。
症状をひどくしないためには?
アレルギー対策の基本は、原因物質(アレルゲン)を避ける・減らすことです。
体内に入るアレルゲンの量を減らすことで、アレルギー症状を軽くすることができます。
積極的に掃除を行い、生活環境を清潔に保つのが特に重要です。

通年性アレルギー性鼻炎
☑ 室内掃除の際は、掃除機をゆっくり動かし、週2回以上掃除する。
☑ 布張りソファ、カーペット、畳はできるだけ使わない。
☑ 床はフローリングにする。
☑ ベッドのマット、布団、枕に防ダニカバーをかける。
☑ 通気をよくし、部屋の温度を20~25℃、湿度を45%程度に保つ。
☑ ペットを寝室に入れない。
☑ ペットとその飼育環境を清潔に保つ。

季節性アレルギー性鼻炎
☑ 普段から花粉情報に注意する。

☑ 花粉の飛散が多いときは外出を控える。
花粉は昼前後と夕方に多く飛散します。
☑ 花粉が入り込まないように、窓や戸は閉めておく。
☑ 外出時にはマスク・眼鏡を着用する。
マスクを着用すると、花粉の吸い込む量を約1/3~1/6に減らせます。
☑ けばだった衣類は避け、花粉が付着しにくい表面がツルツルした素材の衣服を選ぶ。
☑ 帰宅後は体に付着した花粉をよく払い、手洗い・洗顔・うがいをする。
☑ 花粉の飛散が多いときは外に布団や洗濯物を干さない。
⚠こんな日は特に注意
🌟晴れて気温が高い日
🌟空気が乾燥して風が強い日
🌟雨上がりの翌日
🌟気温の高い日が数日続いた後
花粉症対策はお早めに!

日本気象協会によると、2026年近畿地方では、
スギ花粉の飛散開始時期;
2月中旬~下旬(例年並み)
春の花粉の飛散ピーク時期;
スギ;3月上旬~中旬(例年並み)
ヒノキ;4月上旬(例年並み)
春の花粉の飛散量;
例年並み~やや多い
と予想されています(2026年1月15日発表)。
アレルギー症状がひどくなってから薬を使用しても、高い効果は期待できません。
スギ花粉は飛散開始と認められる前からわずかな量が飛び始めるため、花粉症の方は花粉が本格的に飛び始める前に、薬の使用を始めましょう。

なお、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)に関する御相談は、当院平日午後の非感染外来(クリーンタイム)の受診をお勧めします。