#24 坐薬の使い方|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

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#24 坐薬の使い方|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

#24 坐薬の使い方

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今回は坐薬の使い方について、です。

外来に来られたお父さん・お母さんから、「実は坐薬を使ったことがないんです…。」とお聞きすることがよくあります。

特にお子さんの年齢が小さければ、薬を与える手段の一つとして、坐薬の使い方を知っていただきたいです。

 

 

坐薬のいろいろ

坐薬は肛門に入れて使用する固形の外用薬で、体温などで徐々に溶けてその効果を発揮します。

お尻の穴から薬を体内に入れるので、吐き気があったり高熱でぐったりして薬が内服できないときに、特に役立ちます。

一方で下痢をしているときは、挿入した薬がすぐに排出されやすいため、使いにくいです。

一般的に小児科外来で処方される坐薬には、

解熱鎮痛剤(熱冷まし・痛み止め)

アンヒバ®

アルピニー®

カロナール®

アセトアミノフェン® 

など。

制吐剤(吐き気止め)

ナウゼリン® 

ドンペリドン®

など。

抗てんかん薬(けいれん止め)

ダイアップ® 

など。

大腸刺激性下剤(便秘治療薬)

テレミンソフト®

新レシカルボン® 

など。

などがあります。

坐薬は見た目が似ているため、表記されている薬剤名をよく確かめてから使いましょう。

大人用の坐薬をお子さんに使うことは絶対にやめましょう!

 

 

いざ‼ 実践編

1.坐薬を入れる前に、手をきれいに洗う。

2.冷蔵庫で保管していた坐薬を使用する場合、冷たさが刺激にならないように、庫内から取り出したら手で少し温める。

3.1回2/3コなど、坐薬を切って使う指示がある場合には、カバーの上から清潔なハサミやカッターで坐薬を切る。

  (切り落として余った坐薬は捨てる。)

  ※先にカバーから取り出すと、坐薬が溶けて滑りやすくなり、切りにくくなります。

4.カバーから坐薬を取り出して、水やベビーオイルなどで先端を濡らす

5.坐薬を先のとがった側から肛門に入れて、しっかり押し込む。

6.挿入後ティッシュなどでしばらく肛門を押さえて、坐薬が出てこないようにする。

7.最後に手をきれいに洗って、完了🌟。

次回使用まで一定の間隔をあける必要があるため、坐薬を使った時間を覚えておきましょう。

 

 

坐薬Q&A

① 坐薬を入れた後にうんちしちゃったけど…。

挿入後10分以内に排泄した場合や、排泄物の中に溶ける前の坐薬が認められる場合は、もう一度同じ量を入れ直してください。

10分以上経過し、排泄物の中に坐薬が見当たらなければ、そのまま経過をみてください。

坐薬挿入後お尻の違和感のために便意を訴えることがありますが、薬剤が溶けて吸収されるまで、できるだけ我慢させてください。

 

② 2種類の坐薬を同時に使いたいんだけど…。

熱があって嘔吐もしているときなど、異なる目的の坐薬を同時に使う場合は、より緊急性の高いほうの坐薬を先に使用してください。

その後別の坐薬を入れるときは、先に入れた坐薬の吸収を妨げないように、30分以上間隔をあけて使用しましょう。

 

③ 坐薬の保管方法は?

坐薬は基材(坐薬のベースとなる材料)の違いによって、「油脂性」と「水溶性」に分けられます。

油脂性坐薬は体温で溶けるため、冷蔵庫で保管(2~8℃)します。

アンヒバ®、アルピニー®

テレミンソフト®、 新レシカルボン® 

など。

水溶性坐薬は、直腸内の水分を吸収することにより溶ける仕組みで、体温レベルでは溶けないので室温保存(1~30℃)が可能です。

ナウゼリン® 、ドンペリドン®

ダイアップ®

など。

 

④ 坐薬の使用期限は?

各種坐薬の有効期限は、適切な保管条件下で、製造から3年とされているものが多いです。

そのため、処方後半年~1年程度の期間内の使用であれば、薬剤の効果が期待できます。

ただし、小児科では基本的に体重によって薬の投与量が異なるため、以前の処方量では十分な効果が得られない可能性があります。

 

⑤ 坐薬を入れるのをすごく嫌がるんだけど…

坐薬を嫌がる原因としては、挿入による痛みや違和感が考えられます。

痛みを和らげるには、坐薬の先端にオイルをつけて、挿入時の抵抗を減らしてあげてください。

冷蔵庫から取り出した直後の坐薬を使用すると、冷たさを痛みとして感じやすくなるため、手で少し温めてから挿入しましょう。

どうしても坐薬を嫌がる場合は、飲み薬に変更することも考えてください。