#14 赤ちゃんの皮膚とアレルギーマーチ|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

〒601-1375
京都府京都市伏見区醍醐高畑町30番地3 醍醐アッシュビル2F
075-575-0808
WEB予約
ヘッダー画像

ブログ

#14 赤ちゃんの皮膚とアレルギーマーチ|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

#14 赤ちゃんの皮膚とアレルギーマーチ

Pocket

前回は皮膚の構造とバリア機能、そしてスキンケアのポイントについてのお話でしたが、今回は赤ちゃんの皮膚の特徴について、です(当院ホームページ『ブログ』「#13 スキンケア」のページもご覧ください)

最初に前回のおさらいですが、バリア機能とは「アレルギーの原因となる物質や細菌などが体内に入り込まないように、また体内から水分が逃げていかないように保つ皮膚の働きのこと」をいいます。

 

 

赤ちゃんの皮膚の特徴

一般に、赤ちゃんの肌は大人のものと比べて次のような特徴があります。

● 角質の水分量が少ない。

● 皮膚からの水分蒸発量が多い。

● 皮脂の産生量が少ない。

 (一方で生後1か月頃までは、お母さん由来のホルモンの影響で、顔面は皮脂が多い。)

● 角質の天然保湿因子が少ない。

● 表皮が薄い。

● 皮膚の免疫能が弱い。

上記の生理的特徴から、赤ちゃんの皮膚は大人と比べてバリア機能が十分に発達していないので、乾燥しやすい上に外界からの刺激に弱く、湿疹や皮膚炎を起こしやすい状態にあるといえます。

赤ちゃんの肌といえば、「モチモチ」「プルプル」「スベスベ」というイメージをお持ちかもしれませんが、実はとても繊細で敏感なのです。

バリア機能が低下した皮膚では、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が体内に侵入しやすくなり、その物質に対する抗体が作られることで後にアレルギーを発症する可能性があります。

それを防ぐためには、皮膚についたアレルゲンをきれいに洗い落とし、十分に保湿してバリア機能を高めておく「スキンケア」が非常に大切です。

 

 

アレルギーマーチって、何?

アレルギーは、遺伝や体質など「こども自身の要因」と「環境要因」が複雑に絡み合って発症すると考えられていますが、年齢によって発症しやすい症状が異なるという特徴があります。

乳児期(0歳頃)

乳児湿疹

アトピー性皮膚炎

食物アレルギー

         など

幼児期(2歳頃)

気管支喘息

         など

学童期以降(6歳頃~)

アレルギー性鼻炎

アレルギー性結膜炎

         など

多くの患者さんで乳児期の湿疹から始まり、その後アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎というように発症していく傾向があります。

様々なアレルギー症状が、年齢を重ねるにつれて次々と発症してくる様子を音楽隊の行進(マーチ)になぞらえて、『アレルギーマーチ』と呼んでいます。

このアレルギーマーチは、アレルゲンが皮膚から体内に侵入して抗体が作られることがきっかけと考えられており、両親や兄姉にアレルギー疾患があるお子さんはハイリスクとされています。

そのため、新生児期から十分なスキンケアを行い、皮膚のバリア機能を強化して健康な肌を保つことが、お子さんを様々なアレルギー疾患から守ることにつながります。

ただし十分なスキンケアをしているにもかかわらず皮膚の状態が改善しない場合には、すでに湿疹や皮膚炎が起きてしまっている可能性があるので、小児科医や皮膚科医に御相談ください。

スキンケアを毎日続けることは手間がかかり大変なことですが、お子さんの将来のアレルギー疾患発症予防のためにも、 “ツルツルスベスベ” の肌を保ってあげたいものですね。