#26 こどもが発熱! どうしよう…①|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

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#26 こどもが発熱! どうしよう…①|かとうベビー&キッズクリニック|醍醐駅すぐ京都市伏見区の小児科

#26 こどもが発熱! どうしよう…①

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今回は「発熱時の対応について」のお話です。

以前『ブログ』「#11 もうすぐ入園、その前に…①」で記したように、今春からの入園で “保育園の洗礼” を受けるお子さんはたくさんいると思います。

発熱は小児科を受診する理由として最も多い症状なので、ぜひ確認していただきたいです。

 

 

発熱とは?

発熱とは、「正常な範囲を超えて、体温が上昇した状態」をいいます。

我が国の感染症法では、体温が

37.5℃以上呈した状態を「発熱」、

38.0℃以上呈した状態を「高熱」、

と定義しています。

私たちの体温は、脳の視床下部というところにある「体温調節中枢」によって、 “一定の範囲” になるように調節されています。

その “一定の範囲” というのがいわゆる「平熱」で、健康な状態で安静時に測定した体温を指します。

36~37℃の範囲内におさまる人が多いですが、平熱には個人差があり、人によって異なります。

年齢による差もあり、一般にこどもの平熱はやや高め、高齢者はやや低めとされます。

 

体温の測り方

まず大切なのは、お子さんが元気なときの体温(平熱)を把握しておくことです。

体温は1日の中で1℃程度の変動があり、早朝が最も低く、夕方が最も高くなります。

また、授乳や食事、運動、入浴のすぐ後は体温が高くなります。

同じ条件で別の日に何回か体温を測定し、お子さんの平熱がどのくらいか知っておきましょう。

また、 “何となく元気がない” 、 “機嫌が悪い” 、 “食欲がない” など、お子さんの様子がいつもと違うときは、必ず体温を測定して発熱を見逃さないようにしましょう

接触型電子体温計を用いた腋下での測定

1.乾いたタオルで脇の汗をしっかり拭きとる。

2.脇の下のくぼみの中央に体温計の先端を当てる。

3.上半身に対し30~45度の角度になるように体温計を差し込む。

4.脇をしっかり閉じる。

  赤ちゃんの場合は、膝にのせて後ろから抱きかかえるようにする。

  ※しっかり脇を閉じないと、外気の影響を受けます。

5.体温計の電子音が鳴るまで、そのまま動かさない。

なお、多くの研究で、鼓膜体温計は接触型電子体温計と比べて不正確である、とされています。

何らかの理由で体温調節中枢の設定温度(セットポイント)が上がると、体温が正常の範囲を超えて上昇(=発熱)します。

発熱の原因は感染、膠原病、腫瘍、薬剤などがありますが、こどもの発熱の原因は感染症によるものがほとんどです。

 

 

こどもが発熱! どうしよう…

発熱時の対応のアドバイス

水分補給を十分に

お子さんが飲めれば何でも構いません。

おススメは湯冷まし、麦茶、スポーツドリンク、経口補水液(OS-1®、アクアソリタ®など)です。

赤ちゃんには特別何か用意する必要はなく、普段通り母乳やミルクを与えてください。

“一度にたくさん” よりは “少しずつこまめに” がポイントです。

 

衣服の調整をする

熱の上がり始めは寒気を感じて震えたり、手足が冷たくなることがあります。

その場合は、布団をかけたり重ね着をさせて温めてください。

ただし高熱の前触れかもしれないので、体温変化に注意が必要です。

高熱があって暑がれば(顔が赤く手足がポカポカで汗をかき始めたら)、少し薄着にしてください。

汗をかいたら体をよく拭いて、着替えさせましょう。

 

身体を冷やす

室温を調整して部屋を涼しくしましょう。

エアコンや扇風機を使用するときは、風が直接お子さんに当たらないように。

お子さんが嫌がらなければ、氷枕などで体を冷やしてください。

首の付け根、脇の下、足の付け根を冷やすのが効果的です。

保冷剤などで冷やす場合はタオルで包み、直に体に触れないようにしましょう。

濡れタオルで体を拭いてからうちわであおぐと、熱が下がりやすくなりますよ。

⚠ 事故に注意 

冷却シート(熱さまシート®、冷えピタ®など)使用中にシートがずれ、鼻と口が塞がれて窒息する事故が過去に起きています。

乳幼児のおでこに冷却シートを貼るのは避けましょう。

※冷却シートは解熱剤ではないので、使用しても熱を下げる効果はありません。

 濡れタオルと同じ仕組みで、ひんやり気持ち良くなるための商品です。

 

解熱剤を使う

高熱でお子さんが苦しそうなら、解熱剤の使用を考えましょう。

ちょっとでも熱が下がれば少し元気になって、水分などが摂りやすくなります。

 

 

お子さんが発熱したとき、私たち医師が確認したいのは、

☑ いつから熱が出始めたか?

☑ 熱の高さはどのくらいか?

☑ 体温は上がったり下がったりしているか?

  ずっと高熱/微熱が続いているのか?

☑ 鼻水や咳など、他の症状を伴うのか?

☑ 元気があるか、ぐったりしてしんどそうか?

などの情報です。

発熱の経過をわかりやすく伝えるためには、ぜひ熱型表を活用してください。

熱型表とは体温を記録したグラフのことで、無料でダウンロードできるものもあれば、スマホアプリを使うのも有用です。

発熱時には、朝・昼・夕・寝る前の少なくとも4回は体温測定するのが良いでしょう。