#27 こどもが発熱! どうしよう…②
今回は前回に引き続き、「発熱時の対応について」のお話です。
(当院ホームページ『ブログ』「#26 こどもが発熱! どうしよう…①」のページもご覧ください。)
発熱時の受診の目安
いわゆる “かぜ” の8~9割は、ライノ、インフルエンザ、コロナ、アデノをはじめとするウイルス感染が原因です。
通常は2~3日で解熱します。
発熱が長引くときは、 “かぜ” とは異なる重い病気かもしれないので、早めに受診してください。
発熱時の受診の目安
● 元気がなく機嫌が悪いとき
● 発熱が3日以上続くとき
● 食欲がなく、水分が摂れないとき
● おしっこの回数・量がいつもよりも少ないとき
発熱時に急いで受診すべき症状
発熱時に急いで受診すべき症状
▼ 顔色が悪く苦しそう
▼ 小鼻がピクピクして呼吸が速い
▼ 意識がはっきりしない
▼ 不機嫌でぐったりしている
▼ 赤ちゃんであれば泣き方が弱々しい
▼ けいれんが5分以上続く
すぐに救急車 🚑 を呼んでください!
一刻も早くけいれんを止める必要があります。
▼ 生後3か月未満の赤ちゃんで38℃以上が続く
生後間もない赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫(母体からの移行抗体)が存在するために、発熱することがほとんどありません。
それにもかかわらず高熱が出れば緊急事態で、約1割に重い細菌感染症(髄膜炎、菌血症、尿路感染症など)が隠れているとされます。
3か月未満の赤ちゃんで38℃以上の発熱があれば、小児科への受診を急ぎましょう。
発熱後の登園・登校の目安
ヒトの体温は朝が最も低く、昼~夕方にかけて高くなります。
前日に発熱していた場合、翌朝解熱していたとしても昼以降に再度発熱する、というケースはよくあります。
登園・登校再開は、少なくとも解熱して24時間以上経ってからにしましょう。
こんなときは登園・登校を控えて
▲ 24時間以内に38℃以上の発熱があったとき
▲ 24時間以内に解熱剤を使用したとき
▲ 発熱がなくても、元気がなく機嫌が悪いとき
▲ 発熱がなくても、食欲がなく水分が摂れないとき
こどもの発熱Q&A
① お風呂には入ってもいいの?
高熱でしんどそうなときは入浴やシャワーを避けてください。
あとで更にぐったりする危険性があります。
それなりに元気があれば、湯冷めに気を付けて、短い時間で汗を流してあげてください。
さっぱりして寝付きが良くなる上に、湯気の効果で咳や鼻詰まりが軽くなるかもしれません。
② 高熱で頭がおかしくなることはないの?
こどもは大人と比べて発熱しやすく、しかも高熱になることが多いです。
40℃近くの高熱が出ると慌ててしまいますよね。
しかし、脳炎・脳症や髄膜炎などの場合を除いて、高熱そのものが脳に悪影響を及ぼすことは通常ありません。
③ 熱があるときは体を温めたほうがいいの?
熱があるときに温めると、熱がこもって体温が上り過ぎる可能性があります。
高熱で暑そうにしているときは、薄着にさせて熱を逃がしてあげましょう。
寒そうに震えて手足が冷たいときは温めてあげてください。
④ 体を冷やしたいのに嫌がるんです…
発熱時は首、脇、足の付け根など、太い血管がある場所を重点的に冷やすのが効果的です。
でも、お子さんが嫌がるようであれば無理強いしないでください。
冷やして気持ち良さそうにしていれば続けてください。
⑤ 熱があるのにおとなしく寝ていられないんだけど…
熱の高さと病気の重さは必ずしも相関しません。
高熱があっても機嫌良く過ごせていれば、まだ余裕がある証拠です。
元気がなくなってもすぐに休める環境であれば、遊んでもらって構いません。
ただし、発熱時の外出は控えましょう。
⑥ 保育園に入ってから毎月のように熱が出るんだけど…
保育園や幼稚園での集団生活が始まると、しばらくの間は体調不良を繰り返します(当院ホームページ『ブログ』「#11 もうすぐ入園、その前に…①」のページもご覧ください)。
いわゆる “保育園の洗礼” というもので、いろいろな感染症に次々とかかることによります。
免疫機能が高まるにつれて体調を崩す頻度は減りますが、かぜの原因となるウイルスだけでも200種類以上 ( ゚Д゚) あるため、日頃の体調管理が重要です。
インフルエンザやおたふくかぜなどの任意接種を含めて、ワクチンで予防可能な病気については、しっかり予防接種を受けることで対策しておきましょう。