#40 もうすぐ出会う “キミ” を守る、RSウイルスワクチン
3歳になりました

おかげさまで、2026年5月18日かとうベビー&キッズクリニックは開院から丸3年を迎えました。
日頃からお世話になっている方々には、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
引き続き、「お子さまの成長をともに喜べるクリニックでありたい」をモットーに、初心を忘れることなく診療に励んでまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
妊婦へのRSウイルスワクチンが定期接種化されました

2026年4月から、RSウイルスワクチン(アブリスボ®筋注用)が定期接種となりました。
このワクチンの特徴は、こどもに対してではなく、妊婦に接種することです。
以前当院ホームページ『ブログ』「#4 RSウイルスとシナジス注射について」で、 “現在開発中です” と紹介したワクチンのことです。
ワクチンの接種により、まず母体内でRSウイルスに対する抗体が作られます。
抗体が胎盤を通して胎児に移行することで、生直後~6か月頃までの新生児・乳児のRSウイルスによる下気道感染症(肺炎、気管支炎など)を予防します(母子免疫ワクチン)。
ワクチン接種により、生後180日以内の重症RSウイルス下気道感染症を7~8割程度予防するとされています。
定期接種の対象は、妊娠28週0日~36週6日までの妊婦です。
2025年度までは任意接種だったため1回の接種につき3万円以上の費用が必要でしたが、今回の定期接種化により、多くの自治体で無料で接種できるようになりました。

予防する病気
新生児・乳児のRSウイルス感染症
特に肺炎・気管支炎などの下気道感染症
ワクチンの種類
不活化ワクチン
定期接種対象者
妊娠28週0日~36週6日までの妊婦
※過去の妊娠時に接種歴のある方も対象
⚠ 注意 ⚠
接種後に母体内で産生された抗体が胎児に移行し、十分な抗体価となるまでには2週間以上かかります。
妊娠38週6日以前に帝王切開の予定がある場合は、早めの接種をお勧めします。
接種回数
1回
双子などの多胎妊娠の場合も接種は1回のみです
接種方法
筋肉内注射
主な副反応
接種部位の痛み、腫れ、赤み
頭痛
筋肉痛
など

ここでおさらい RSウイルスって何?
RSウイルスについては以前にも当ブログで取り上げましたが、今回のワクチン定期接種化にあたり、もう一度お話しします。
(当院ホームページ『ブログ』「#4 RSウイルスとシナジス注射について」のページもご覧ください。)
病気の原因;
RSウイルス
潜伏期間;
通常4~6日 (2~8日)
感染経路;
接触感染、飛沫感染
好発年齢;
乳幼児
症状;
発熱、鼻汁、咳嗽、
喘鳴(ゼーゼーと呼吸しにくくなること)
など
特に6か月未満の乳児は重症化しやすい
診断法;
鼻咽頭ぬぐい液を用いた抗原検査による
※ただし保険適用は乳児や入院例などに限定
治療法;
対症療法(症状に応じた治療)
予防法;
手洗い、アルコール消毒、咳エチケット
登園基準;
症状が回復すれば登園可
RSウイルス(Respiratory syncytial virus)はいわゆる “かぜ” を引き起こす代表的なウイルスの一つです。
かぜの原因ウイルスなので、大人もこどももかかる可能性があります。
かかった場合は発熱、鼻水、咳などの症状が現れますが、おとなや年長児ではたいてい軽く済みます。
しかし赤ちゃんがかかると、ゼーゼーして呼吸が苦しそうになり、入院が必要になることも少なくありません。
特に6か月未満の乳児では重症化しやすく、3か月未満では無呼吸を起こす場合もあります。
初めてRSウイルスに感染した場合、その約3~4割がかぜ症状の数日後に下気道炎へ進行するとされます。
また、乳幼児の肺炎の約5割、細気管支炎の5~9割はRSウイルスが原因との報告があります。
加えて厄介なのは、RSウイルスにかかったその後です。
乳児期にRSウイルス下気道炎にかかると、治った後もゼーゼーを繰り返しやすくなり(反復性喘鳴)、喘息発症のリスクが高まることが知られています。

このウイルスには有効な治療薬がなく、抗菌薬も効きません。
安静にして水分補給、加湿、鼻吸引などを行います。
RSウイルスの重症化を防ぐには?
小さなお子さんを持つ御家族にとって大きな脅威となるRSウイルスですが、残念ながら避けては通れません。
その理由は、1歳までに5~7割が、2歳までにほぼ全員が、少なくとも一度はRSウイルスに感染するからです。
(なお免疫ができにくいウイルスのため、その後何度も繰り返し感染します。)
特に登園・登校している兄姉がいたり、生後数か月からの入園を考えている御家庭は、赤ちゃんが早期に感染するリスクがあります。
どんなに注意していてもかかってしまうのがRSウイルス。
生まれてすぐの赤ちゃんをRSウイルスから守るためにできたのが、この母子免疫ワクチンです。
お腹の中にいる赤ちゃんに送るプレゼントとして、ぜひこのワクチンを御理解ください。

当院は京都市および宇治市の定期予防接種協力医療機関です。
RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®)の接種をご希望の方は、事前に産婦人科主治医に接種の可否をご確認の上、電話(☎075-575-0808)で御予約ください。
※接種日当日には、必ず本人確認書類(マイナンバーカードなど)、母子健康手帳、RSウイルスワクチン予診票をお持ちください。
